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前編では、プロダクトマネージャーの意義について鋭く語ってくれたfreee株式会社の坂本登史文氏に、今度は思い描く未来構想を直撃。日本の経理・会計システムの常識を変えた「クラウド会計ソフト freee」(以下「会計 freee」)の次なる一手とは。クラウド会計ソフトのフロントランナーが目指す新しい世界に注目だ。

freeeを使って経営の可視化ができる世界をつくる

ーでは、ここからはプロダクトマネージャーの仕事ぶりそのもの、今やってらっしゃるプロダクトである「会計freee」ついてお話を伺わせてください。この先このプロダクトをどうしていこうとお考えなんですか?

坂本: 今、僕たちには足下できっちりやっていくことが1つ、将来の大きなビジョンが2つ、あわせて3つくらい構想があります。まずは足下のところからお話をしますね。

ーぜひお願いします!

坂本: まず前編でもお話しした通り、「会計 freee」の事業フェーズが変わりつつあります。アーリーだったところから、今はメインストリーム市場へだいぶ食い込んで行っています。

それに伴い、今までは「こういう帳票は出せない」とか、「この条件で検索はできない」といった製品的なウィークポイントも「駆け出しのプロダクトだからいいよね」とある程度目を瞑ってもらっていたところがありましたが、そうはいかなくなりました。

今や「会計 freee」は長い歴史を持つ会計ソフトと同じ土俵の上で比較されるところまでやってきています。純粋に製品として戦っていくには、既存の会計ソフトが標準的に提供できる機能についてはちゃんとカバーしていないと、freeeを選んでいただけない。そして、freeeの良さも持っていなければならない。地道な作業になりますが、お客さまのフィードバックにもとづき改善を続けていく。これが足下の話です。

ーメインストリーム市場においては、他製品に劣るところがあってはいけないというか、強みを伸ばすだけでなく、弱みがない状態にしていかなければいけないということですね。

坂本: そうです。その足下は絶対に崩してはいけない。そこがしっかりしたうえで、将来のビジョンがあります。1つめは、せっかくお客さまから貴重な会計データをお預かりしているので、それを使って意味のある可視化をしたいなと考えているんですよ。

ーと言うのは?

坂本: 今はまだお預かりした会計データを使って、税務署等に提出する書類が楽に作成できるなどの活用法にしか手が及んでいないんですが、いずれこれを進化させて、もっと経営アドバイスにつながるような機能を持たせられるようにしたいと考えているんです。我々はこれを「経営ナビゲーター」と呼んでいます。クルマで何処かに行くときって、ナビに目的地をセットして、ナビを見ながら運転に集中する。運転中も渋滞予測など必要な情報をナビゲートしてくれるじゃないですか。そういうイメージです。

たとえば、このままこのペースで投資を続けると将来赤字になるというときは事前にアラートを出す、このタイミングで800万円借り入れして2号店を出したら、事業は今後こんなふうに発展できますよという予測を出す、このタイミングで人員を増やすとこれくらい売上をあげることができますよとアドバイスする、などです。まさにナビゲーション。

ーそれは事業者にとってはかなり便利ですね。経営方針の参考になる。

坂本: 今、ヘルステックってどんどん進化していているじゃないですか。単純に自分が食べたものを記録するだけじゃなくて、「明日はこういうものを食べるとより健康的ですよ」というアドバイスまでしてくれます。まさにそういう世界まで「会計 freee」を持っていきたいんです。

ー面白いですね。それってもちろん他社さんも追随してくる可能性があるかと思いますが、そうした競合サービスと並べたときに、「会計 freee」独自の優位性ってどんなところがあるんですか?

坂本: そこを話すと、ちょっとマニアックになるんですけど、大丈夫ですか(笑)。

ー遠慮なくお願いします(笑)。

坂本: 「会計 freee」は会計ソフトと謳っているんですけど、他の会社さまが提供されている会計ソフトとは基盤となる概念が違っています。従来の会計ソフトは、いわゆる「仕訳形式」による入力が一般的で、簿記の知識を持った専門家でなければ記帳が難しい。一方で、「会計 freee」ではfreeeが自動で記帳してくれます。

たとえば請求書を発行したとします。従来のソフトなら誰かが別途仕訳を記帳する必要がありますが、「会計 freee」なら自動的に売掛金として記帳されます。会計ソフトというより、業務記録ソフトと呼んだ方がある意味近いですね。「会計 freee」上で業務を行っていけば、自動的に記帳が終わっているという世界です。

ーそれによってどんな違いが生まれるんですか?

__坂本:__一言で言うと、業務のデータがfreeeに一元化されるということです。たとえば、一般的な会計ソフトの場合、ある伝票について誰が承認したのかを調べるには、わざわざ別の承認システムを見に行って調べなくちゃいけません。でも、「会計 freee」は経費精算や承認のシステムまですべて一つに入っているので、「会計 freee」内で確認できます。これを実現できているのは、クラウド型を採用しているからでもあり、大きな強みです。

つまり、他のプロダクト群ではそもそも経営ナビゲーションができるような情報を持っていなかったり、持っていても別システムのため情報を統合する何かから始めなければいけない等の壁がありますが、「会計 freee」はそもそも一つになっているので、経営ナビゲーター構想を実現する上で、一歩進んでいるといえると思います。

ーなるほど。かなりの強みに思えます。

坂本: あと、姉妹サービスの「人事労務 freee」には、社員の入社・退社時期から昇給のタイミングといった人事データがすべて入っているので、これと連携させることによって、人件費の予測を立てることも可能です。できることは非常に大きいですね。

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ユーザーにとって価値あるプラットフォームを目指していく

ーお話を聞いていると、会計ソフトの枠を超えた領域に進もうとしているのが分かります。

坂本: そうですね。まさに2つ目のビジョンはそういう世界です。

ー聞かせてもらってもいいですか?

坂本: もちろん(笑)。僕らは将来的にはお客さまのプラットフォームをつくりたいなと思っているんですよ。freeeのお客さま同士で情報交換ができる世界をつくれれば、と。

ーそれは、具体的にはどんなものですか?

坂本: 今までずっと「freeeを導入すると自社のオペレーションが減って生産性が上がりますよ」とお客さまにお話をしてきました。ただ、そこにはひとつの限界があるんです。どんなに自社で自動化を進めても、取引先が紙の請求書を送ってくると、それはどうしたって手動で入力せざるを得ない。

ー確かに。それはどうしようもないですね。

坂本: いくら業務効率化を図っても、自社のコントロールの及ばないところで面倒を強いられているのが今の現実です。でも、freeeユーザー同士ならこうした面倒から一切解放される世界はつくることができます。

たとえば請求書。手打ちで処理しているうちは、どうしても金額や支払予定日の間違いといった人為的なミスはゼロにできない。でも、お互いfreeeユーザー同士なら、データをやりとりすることで手打ち作業をなくし、ボタンひとつで簡単に、ミスなくやりとりが完了するという世界を実現できます。

今は、わかりやすいように請求書を例に挙げて説明しましたが、送金も同様です。freee内で互いに送金・決済がすめば、よりオペレーションを減らせますよね。

ー送金までできるとかなり業務が減りますね。

坂本: 今、freeeを導入いただくメリットって第一に効率化だと思うんですが、送金・決済までできるようになれば、これまでかかっていたコストも削減できます。そうなると経営にも大きなインパクトを与えることができる。

これは、クラウドだからこそやれることです。そんな風にどんどんサービスを拡張させて、世の中の常識を変えていくことが、これからのfreeeの使命だと思っています。

ー思った以上に大きな構想をお持ちですね!それが実現した世界でのfreeeの重要性はかなり高いと言わざるをえないです。

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ビジョナリーに生きることで、プロダクトマネージャーとしての感度を磨け

ー今度はもう少し今に迫りたいと思うのですが、会計や会社設立・経営は様々な法律の絡む複雑な世界。どれだけ効率化しようとしても、そう易々といかない部分もありそうですが。

坂本: その難しさこそが醍醐味だと僕は思っています。今後も消費税が上がったり、軽減税率が導入されたり、いろんなことが起こるでしょう。でも、その負荷を一般の事業者が背負うのはおかしいと僕たちは考えているんです。

煩雑な処理をテクノロジーによって解決し、お客さまがいかにビジネスに集中できる状態をつくれるか。それが、僕たちのモチベーションの源泉。だから、総務省のガイドラインをチェックしたり、国税庁のHPをくまなく読みこんだり、大変なことはいろいろありますが、そこに対して全力で考えるということについて情熱を持てるチームでありたいと考えています。

ー個人ではそうだとしても、チーム全体がそうした情熱を持って働くのはなかなか至難の業ではないでしょうか。やはりその影にはPMの熱心な啓蒙があるんですか?

坂本: そこで言うと、弊社はそもそもfreeeの価値基準に共感したメンバーが入ってくれているので、モチベーションのベースラインが高いというのはあります。それにプラスして、一人ひとりの考えるお客さまへの提供価値をまとめて、ビジョンをつくり、みんなに語る、というのをPMとして実行していましたね。

たとえば「会社設立 freee‎」なら、『5分以内で会社設立に必要な書類が作れる』というわかりやすいビジョンを作り、これが死ぬほど価値があるんだということをみんなに説明し、ドキュメントにもして共有したりとかしましたね。

ービジョンをつくる実行者として日頃から意識していることはありますか?

坂本: 変な話かもしれませんが、僕は日頃から「ビジョナリーに生きる」というのを自分のモットーとしているんです。

たとえば、プライベートで旅行の計画を立てるときも、どこの観光地をめぐりたいという視点から考えるのではなく、この旅行を通じて自分はどんな体験をするべきか、どういう状態で帰国できればこの旅行は成功だったと言えるのか、という思考で取り組みます。そうすることで、自分自身も感度が上がるし、PDCAもまわせるようになるのかな、と。

ー「ビジョナリーに生きる」いい言葉ですね。では最後に、そんな坂本さんが今、目指しているものを教えてください。

坂本: 僕は伝説を残すということをやりたくて。突然ですが(笑)、僕X JAPANが好きなんですよ。X JAPANって何もないところにビジュアル系というシーンをつくった第一人者です。彼らが歩んだ後にフォロワーが続いて、道ができて文化が変わった。

あんな風に自分の信念を持って何かをやり遂げた結果、世の中が変わったという経験をしたいんです。ITの世界に飛び込んだのも、ITだったらそれができるんじゃないかなと思ったから。

今まさに僕はfreeeでの仕事を通じて、会計や人事労務といったオペレーティブなことを楽にするという常識をつくっている最中。いずれ、今僕たちがやっていることが常識になり、その常識をつくった人だよねと後世に語り継がれるところまでやりきりたいなと思っています。

ーすごく素敵ですね。たくさんのお話、ありがとうございました!

坂本: ありがとうございました!

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