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「ゲームの力で世界に幸せを」をミッションに掲げ、数々のヒットコンテンツを世に送り出してきた株式会社アカツキ。『サウザンドメモリーズ』『八月のシンデレラナイン』といったゲームアプリが成功した背景には、ゲーム開発にマーケティングの力を注入したことがあるという。
その立役者となっているのは、Web広告の代理店で長くスマートフォンアプリ領域のプロモーションコンサルティングに携わってきた窪田氏。これからのゲームアプリマーケティングにおける、新しい挑戦とは何か。詳しく話を聞いた。

株式会社アカツキ
マーケティングチーム
ジェネラル マネージャー 窪田 真太郎
1988年 京都市生まれ。同志社大学卒業。
2010年に新卒で大手web広告会社に入社。スマートフォン広告枠のメディアバイイングからwebプロモーションにおける戦略立案まで幅広く従事。2016年に、アカツキにマーケティング職でジョイン。2017年5月より現職。

代理店時代に感じたマーケターとしての限界

ー窪田さんは代理店から事業会社のマーケターに転身されたそうですが、何がきっかけだったんでしょうか。

窪田: 一言でいうなら、代理店の広告枠売に自身の成長の限界を感じたことですね。

ー限界!詳しく聞かせてください。

窪田: ぼくは2010年に新卒でWeb広告の代理店に入社し、辞めるまでの6年間、一貫してスマートフォン広告枠の買い付け業務を行なっていました。アドネットワークの買い付けからキャリアが始まり、途中からスマホの買い付け専任に。その後、スマホに特化したWebプロモーションのマーケティング戦略を立案したりもしていたのですが、このあたりから自身の成長に限界を感じていました。

スマートフォン広告は、誰が運用しても効果が均一化してしまうくらいオプティマイズの機能が優秀になってきていて、“自分が運用するから出せる価値”という意味で、幅が狭くなってきていると感じていました。一方で、会社が求めている自分の役割は広告枠を買い付けて人を集客することにあり、マーケティング領域まで業務を広げることは重要視されませんでした。

ーマーケターとして関われる領域の限界を感じられたということでしょうか。

窪田: 人を集客できたから終わり、ではなく、その後もどうユーザーに向き合い、サービス全体を成長させることができるかにマーケティングの醍醐味があると思っていたのですが、やはり代理店という立場では限界があるなと感じました。集客から顧客育成まで一気通貫的に関わり、サービスを成長させられるような業務につくには、事業会社にいくべきだと考えました。
元々ゲームが好きだったこともあり、漠然とゲームのマーケティングをやりたいと思い始めたのが2015年の頭くらいで。いくつかお声がけいただけたのですが、デジタルマーケティングに特化した部署へのお話が多かった中で、アカツキは「全部やっていいよ」って言ってくれたんです。

ー全部というと?

窪田: オンライン・オフラインを問わず、テレビCMの制作進行にリアルイベントの設計、ファンマーケティングや共創マーケティングの実施など、一口にマーケティングといっても手法は様々ある中で、その全てに挑戦していいということです。基本はプロジェクトのリーダーと予算を決めて、担当サービスのプロダクト・ライフサイクルに適した施策を自分で好きなようにアレンジできる環境は、ぼくにとってとても魅力的でした。

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最初に苦労したのは代理店感をなくすこと

ーWeb広告の代理店からゲームの事業会社という、これまでと異なる環境に不安を感じたりしませんでしたか?

窪田: 不安は家が遠くなったので、朝起きれるかな?くらいでした(笑)でも、最初に苦労したのは、いかに代理店感を失くすかってことですね。

ー代理店感…ですか?

窪田: 今もまだ抜けきらない面があるのですが、代理店特有の“いかに仕事を効率的に捌くか”という観点で仕事をする癖がありました。しかし、事業会社のマーケターは代理店のコンサルタントと違って、一つ一つの施策に対して思考の深さが求められると思っています。

例えば、バナーのキャラクターを選定する際の意図について。代理店のときはシンプルに「これは引きがありそうだ」という感覚でやっていましたが、事業会社におけるマーケターは「このキャラクターはリリースされて何年経っていて、ユーザーからの見え方はこうだから、キャラクターはこういうのを選ばないといけない」といった感覚だけではなく、物事を分析してなぜそうなのか根拠を持って示すことが必要になります。

ユーザーから声を聞くにしても、代理店時代はクライアントのフィルターを通して聞いていたものを、直接聞くことになりましたし、その声の量も圧倒的に増えました。ぼくがユーザーの代弁者にならないといけないので、その折衷はどこになるのかしっかり考えなければならず、感覚値をつかむのには苦労しましたし、今も奮闘中ですね。

ーそういったギャップって、どうやって埋めていったんですか?

窪田: 2つあって、ひとつはアプリをやり込むということです。実際に遊んでみて、分からないところはプロジェクトリーダーやディレクターに聞いてコンテンツの理解を深めるというのは、シンプルですが一番効果的だと思っています。

もうひとつは、業務外の時間でとにかくプロジェクトの人たちと関わるようにしました。なかなか聞こえてこないプロダクトへの想いや開発の背景などは、関係値を増やすことでフィードバックを得られたりするものだと思います。こういった点も、代理店時代の“捌く仕事”との違いだと思っています。こうしてギャップを克服していきました。

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マーケターにとってオタク気質は大きな強み

ーマーケターとしての窪田さんの強みはなんですか?

窪田: 何か気になるところがあれば、とことん深掘って調べるところですね。オタク気質というか、研究肌なんです。

仕事でYouTuberをアサインすることになったときは、どういう人がいるのか知るためにYouTubeを20時間くらい見続けて、再生数とコンテンツの相関性を調べたりもしました。長期連載型の動画コンテンツを企画するときも、真面目なコンテンツとふざけたコンテンツをどんな割合や頻度で織りまぜると良いかを徹底的に調査し、企画しましたね。

ーそれは確かにオタク気質ですね(笑)

窪田: ぼくだけができることってわけじゃないんですが、特に意識せずにできるのは強みかなと思っています。代理店時代もメディアのアルゴリズムを解明するのが好きでしたし、その経験が今も活きているかなという気がします。

マーケターって会社の中ではコストセンターなので、施策がうまくいかないとバッシングの対象になりやすいんです。施策の精度を上げていくためにもオタクにならないときついなと感じています。

ーなるほど。窪田さんがマーケターとして成長したなと感じたタイミングってどこでしょうか?

__窪田:__マーケティングの責任者になったときが一番感じたところですね。強引に視点を引き上げられたような気がします(笑)。プレイングから責任者に移ったことで、どうすれば全体最適できるのかというチーム組成の視点が加わり、より成長できたかなと。どうやって生産性を上げていけばいいか、どのリソースにポートフォリオを寄せるか、そういったことを考えるようになりました。

また個人やチームの仕事に閉じず、アカツキのひとりとして何をすればソーシャルゲーム事業が総合エンターテイメントになるのか、どうすればこのタイトルが成長するのかを考えるようになったのは現職になってからかなと。

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マーケターがプロダクトに寄り添う体制を強化する

ーいま会社から窪田さんに与えられているミッションは何ですか?

窪田: 期待されていることでいうと、スマホゲームの定説と呼ばれているようなマーケティングセクションやプランを、一歩レベルアップするような体制・施策づくりですね。

ーどういうことでしょうか?

窪田: 今のスマホゲームのマーケティングの定説って、事前登録を募ってデジタルマーケティングでユーザーを呼び、離れないように施策を打つといった一連の流れがほぼ決まっていたりします。周りのスマホゲーム会社の知人に聞いても、現在はまだデジタルマーケティングに注力しているところが多い状況です。一方でソーシャルゲーム市場全体を俯瞰してみると、スマートフォンの普及台数も国内では頭打ちになってきており、ユーザー自体のニーズも多様化し、よりリッチな体験を求めてきているようになってきています。

そういった市場環境を鑑みると、デジタルマーケティングも当然ですが、それ以外のトリプルメディアを上手く活用していくことや、リアルでの体験を提供するなど、ゲーム内外でユーザーとの接点を作り、其々での体験をよりリッチにしていくことが重要になっていくと考えています。そういった市場環境の中で、そもそもマーケティング部署と開発部署がどう関わっていくか、というスタンス自体を新しくしていくことが求められているのかなと思いますね。

ーマーケターがゲームづくりにどう関わるか、ということですね。

窪田: 例えば消費財のメーカーさんって、どんな商品を作るかといったブランドマネージャーの仕事と、どう打ち出していくかのマーケターの仕事を一気通貫で行なっていることが多いんです。でも、ゲームや映画、テレビといった分野では、プロデューサーとマーケターが別になっていることが多いと思っています。

マーケティング力の高いプロデューサーであれば良いのですが、感覚で決めてしまう人だと、センスが世の中に受け入れられるかどうかだけでホームランか三振かが決まってしまいます。エンターテイメントにはもちろんセンスも大事ですが、勝率を上げるにはマーケティングが必須だと思っています。

技術力に大きな差がつきづらい今日のサービスでは、技術力とマーケティングが掛け合わさらないと勝てないと考えているので、ゲームづくりにマーケターが寄り添って開発していきたいと考えています。実際にアカツキでは機能開発チームにマーケターが関わることも多くなってきました。

マーケターが機能開発チームと対等に関わりながら、一緒にゲームをつくったり新規機能の優先順位を意思決定に介入できる点は、今後強みになってくると思います。目に見える仕組みというよりは、勝率を上げていくための裏側の仕組みをつくっていくみたいなところですかね。

ー具体的にはどんな関わり方をされているのですか?

窪田: 例えば『八月のシンデレラナイン』というゲームアプリでは、マーケティングがうまくいかないと勝てないという点について、プロデューサーやプロジェクトリーダー、それに役員も含めてコンセンサスを取れています。

様々な施策を打っているのですが、一つ事例をあげるとすると、イベントのクオリティ改修や新規機能部分にマーケティング部署が関わることで、よりユーザーの声を反映し、勝率を上げていく取り組みをはじめました。日々お問い合わせいただくユーザーの声や、アンケートでわかる定量データを頻繁にとり、ユーザーインタビューも自社で行い、より質の高い定性データを収集して、プロダクト開発に瞬時に活かせるように体制構築をしている最中です。こういった、組織改革を経て魅力的なサービスを世の中に届けていくことをやっていきたいなと考えているところですね。

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必要なのは利他の心と大きな野望

ー実力があるマーケターってどういう人だと思いますか?

窪田: スキル面でいうと、3つあるかなと思います。

ひとつは研究意欲が高いこと。何かを深掘りできるのは新たな着眼点とかきっかけを見つけられる力だと思うので。

ふたつめはストレス耐性のある方。施策の失敗は有象無象にありますし、レベルが上がるといろんな人との折衝も増えます。エンタメ業界って職人気質の方が多いですし、右脳型の人も多い。そういった方々とうまく付き合っていくには、どの業界よりもマーケターが冷静になり、メンタルコントロールしながら平常心でこなしていけるかが重要になってくると思います。

最後は戦略的思考があるかどうか。課題がどこにあって、何をすれば解決するのか。そんな課題発見力・解決力がある方はマーケターに向いています。

ーアカツキさんでもそういった素養がある方に来て欲しいと。

窪田: そうですね。この3つに加え、利他の心を持っていることと、大きな野望を抱いている人がいいと思っています。マーケターって結局、ユーザーのため最適な施策を出してあげるのが仕事です。それは顕在化しているニーズに答えてあげるのもそうですし、消費者が抱えている潜在的なニーズをつついてあげるのもそう。

基本的には誰かのために良いことをするのが売上につながり、グロースしていくことにもつながるので、それに対して自分にどんな野望があるのかがマッチしているといいなと思いますね。

ーなるほど。ちなみに窪田さんの野望は?

窪田: 50歳までにWikipediaに載ることです!!

ーさすがです!!(笑)

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