[ウェブエキスパートドラフト休止のお知らせ](https://webexpert-draft.jp/articles/92)

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ITエンジニア向けの転職ドラフト、Webデザイナー・クリエイター向けのデザイナードラフトに続き、WEB EXPERT DRAFT(ウェブエキスパートドラフト)をリリースしたリブセンス 転職ドラフトチーム。プロダクトマネージャーやWebマーケター、事業企画などを対象にしているという。今回、なぜこのサービスをリリースしたのか、何を目指しているのか、その考えを聞いてみた。

転職ドラフトメンバー紹介
松栄 友希(まつばえ ゆき):プロダクトマネージャー。2011年リブセンス入社。転職ドラフトが2つめの新規事業立ち上げとなる。
マコト:サーバーサイドエンジニア。2010年リブセンス入社。企画から開発まで幅広く手がける。
早坂 まゆみ(はやさか まゆみ):営業。2014年リブセンス入社。商品設計・カスタマーサポート、後輩育成など幅広く活躍。

自分の市場価値がリアルな年収額とともに分かる

ー本日は新サービス「WEB EXPERT DRAFT」についてお伺いしたいと思いますが、まず「ウェブエキスパート」って聞きなれないんですが…何ですか?(笑)

松栄: 私たちは、Webプロダクト開発、マーケティング、組織構築、事業開発等において、問題発見と解決・改善、新しい価値創出を行っている方々を「ウェブエキスパート」と呼ばせていただくことにしました。簡単に言うと、Web業界に生きる、ITエンジニアやデザイナー以外の方と思っていただいてかまいません。

ーなるほど、ITエンジニアやデザイナー以外の方をひとまとめにした場合の呼び方ということですね。具体的には、プロダクトマネージャーやWebマーケター、事業企画の方などをターゲットにしているということですが、WEB EXPERT DRAFTはどんなサービスなんですか?

松栄: Web上のイベントが開催され、参加すると、企業から年収付きで指名がもらえ、指名を比較検討した上で企業に会いに行くか決められる転職サービスです。通常の転職活動では、自分が入社する場合の具体的な年収は内定段階までわかりませんよね? WEB EXPERT DRAFTの特徴は、「750万円」というような明確な年収額が、面談前の指名時点で提示されることです。

ーそこまで具体例な年収が提示されるんですね。

松栄: はい。最終的な内定年収は、指名時の提示年収の90%以上であることを保証する、というルールもあるので、指名時だけ高い年収を出され、あとでガッカリするなんてこともありません。企業に年収付きの指名をしてもらう分、参加には運営の審査に通過する必要がありますが、「今の自分の年収は妥当だろうか」「自分のスキルや能力は他社でも評価されるんだろうか」というモヤモヤした気持ちがある方にはぜひおすすめしたいです。

マコト: 先行して2015年から運営しているITエンジニア版の転職ドラフトでは、年収1000万円以上で指名を受ける人や数十社から指名される人気者がいる一方で、参加のための審査にすら通らない人もいます。市場全体の自分の立ち位置を知ることができる場所になっていると思います。

ー実力が試される場、ということですね。指名時点で分かるものは年収だけなんですか?

松栄: 指名理由や任せたい仕事も明記されています。ユーザーからすると「自分のどの部分をどう評価してもらえたのか」「自分に何を期待して、どんな仕事を任せたいと言ってきているのか」がかなり具体的にわかりますよ。

ーすべてが非常に具体的ですね。

マコト: また、登録さえしていれば、他人の提示年収とスキルも見られます。高い指名や多くの指名をもらっている人はどんな人か、どの企業がどんな人を求めていていくら位の年収を提示しているかなど、いろいろな情報がつかめます。

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WebExpertたちに多発する「キャリア迷子」

松栄: 私たちはこのWEB EXPERT DRAFTを、「自分がこれから何を学べばよいかわかる場所」にもしたいと思っているんですよ。ユーザーヒアリングもしましたが、今回対象にしているプロダクトマネージャーや、Webマーケター、事業企画などの方は、キャリア迷子になっている場合が多いなぁと感じているんです。

ーキャリア迷子、ですか?

松栄: 「この先自分は何を目指すべきかに悩んでいる人」のことを、私たちはそう呼んでいます。キャリア迷子のパターンもいくつかあるんですよ。

ーパターン!詳しくお伺いできますか?

松栄: まず一つ目に、業界文化的に、エンジニアのようにオープンにノウハウを共有し合う文化ではないことから、「自分はこれから何をどう学べば伸びていくのかわからない」と感じているパターンがあります。自己成長に対して焦りを感じて、手当たり次第にいろいろなものを学んでみるけれど、どれも中途半端になってしまったり、実務に活きなかったりして悩んでいる、という状態。ノウハウがオープンになっていない分、本を読んだり情報を集めたりしてもコアな部分はなかなか学習できず、手探りで自分で経験してみるしか力をつける方法が見つからなかったりと、結果としてすごく時間のかかる成長の道を歩んでいると思います。

ーたしかにマーケターなどは自社のノウハウを公表して真似されたら困る、などの事情はありそうですね。

松栄: 次に、ある程度スキルも経験もあって何でもできる、いわゆるミドル層が、次に何を伸ばすか、どこに進むべきかを決め兼ねている、というパターンです。「何をやらせても7割できる」と言われるような人ですね。

ーそれ、ただのすごい人にしか思えないんですけど…(笑)

松栄: そうですね、はたから見たらそうだと思います(笑) ただ本人としては、例えば、マネジメントに完全に寄せていくのも違う、経営企画に行きたいかと言われても違う、でもどうしていきたいかと言われると答えが出ない….といった悩みを抱えていました。いろいろ経験してきているので、いろいろやれることが楽しかったりもしますし、スキルの幅が広い分次にどれを伸ばすべきか定めるのが難しい、という面もあります。

ーミドル層ならではの悩み、という感じですね。

松栄: そうですね。加えて、一つの企業に人数がいない役割だったりするので、社内にロールモデルとなる人がいない、キャリアパスがない、プロセスやスキルを正しく評価してもらえない、というところから、社内の自分のこれからのキャリアについて悩んでしまう、というパターンも見受けられました。

ーなるほど、先程のオープンな文化ではない、というところから、社外にロールモデルを探すのも難しいという面がありそうですね。

松栄: 同時に一方で、良くも悪くも実績がその人の評価になりやすいので、言い方は悪いですが一度「まぐれ」のような形で大成功をおさめた人が高評価であり続けてしまう、という面もあります。同じような役割の人から見たら、「なぜあの人が評価され続けるのか」「あの人が言っていることは大したことないのに」みたいな形で不満が溜まることもあるようです。

ーうーん、難しい問題ですね。

マコト: 僕はエンジニアですが、エンジニアのような技術職と比べると、こういった方々はやはり「総合職」的な役割を求められる部分が大きいんだろうなと感じます。人と人との間のコミュニケーションハブになることが多く、どんな相手ともそれなりの話ができる人間であることを求められる。そうすると自然と広い知識・スキルを求められてしまいます。だからこそ継続的に右肩上がりで自己成長させていくのが難しいんじゃないかなと感じました。

松栄: だからWEB EXPERT DRAFTでは、これらの人に今後の自分を考えるヒントを提供できるようにしたいんです。自分に近い、指名されているユーザーを探して、その人の考え方やスキルなどを基に、自分の視座を高めたり、次に学ぶスキルを見極めたり、ロールモデルを探したり、ということができる場になっていければと考えています。

ーなるほど。ただの転職サービスの枠にはおさまらないサービス像をお考えなんですね。

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市場を透明化し、転職のあり方を変えたい

ーもともと、転職ドラフトという仕組みを立ち上げた理由はどういったものなんですか?

松栄: 私たちは「市場を透明化し、実力が正当に評価される世界をつくる」というビジョンを掲げ、サービスを立ち上げました。転職市場は実に不透明で、良くない慣習がたくさんあるんですよ。

ー例えばどんなものですか?

マコト: 例えば、転職先での年収は、前職時の年収で決まってしまうってご存知ですか? どれだけ実力が高くても、前職が給与の低い会社だった場合、転職しても適切な評価を受けられない場合が多いんです。入社してから上がると言っても、時間がかかりますしね。だから転職ドラフトでは、現年収はユーザーに聞かない、企業にも公開しない、という仕組みになっています。

早坂: また、年収が内定まで明かされないこともユーザーの機会損失になっています。普通、応募段階では400〜800万円のような給与表示しかされません。何度も面接に行った後、最後に思ったより低い年収を提示された場合「他の会社も受けておけばよかった」「もうここから他社受けるのも….」みたいな形で、本当によい職場を探せたとはいえない場合が発生します。でも面接を始める前に年収が明示されていれば、それありきで比較検討して選べる。労力のムダ、機会損失をなくせるんです。

ーなるほど。会社を休んで面接に行くのって大変ですもんね。

マコト: また、個人を見ないスカウトメールも問題だと思っています。企業側は同じ文章を多数の人に一括送信する。受け取る側は、「またどうでもいいメールか」と思ってスルーする。企業側は反応が悪いからまた大量に打ち、得をするのは仲介者だけ。このサイクルが、僕はとても嫌いなんです。転職という人の人生を変える大事なできごとは、もっとお互いをちゃんと見て、よく知って、コミュニケーションとるべきだと思うんですよ。

ーそうですね、でも業界の慣習を変えるとなると、企業側からの抵抗などはなかったんですか?

早坂: 「レジュメだけで年収を決められるわけがない」「一人ひとりのレジュメを見ていくなんて工数がかかりすぎて無理だ」そんな話はよくありました。でも実際運用してみると、「本来こうあるべきですよね、目が覚めました」という声もいただいています。今は応援してくれている企業さんもたくさんいますよ。

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転職する側、受け入れる側どちらにも幸せを

ー運営してみて変わったことは他にもあるんですか?

早坂: まず第一に、大幅に年収が上がるユーザーさんがたくさん生まれた、というのが嬉しかったです。前職で買い叩かれていた、というのもありますが、年収が200万円以上上がった、という話は珍しくありません。ちゃんと実力で評価されれば、こんなに人生が変わるんだなぁと驚きました。

ー大幅に年収が上がると、運営としてもメリットありますね。

早坂: いえ、人材紹介エージェントなどは求職者の入社時年収の何%をフィーとする、という変動報酬制ですが、転職ドラフトは固定報酬制を採用しているので、ユーザーさんの年収が上がっても運営側の売上が増えたりはしません。変動フィーにしていると、企業人事部門の予算が大きくない場合、転職者の年収が下げられてしまうことがあります。ユーザーさんの年収が実力以外の要素で決まることを極力避けたいと考えているので、固定フィーなんですよ。

ーなるほど。こだわりが強いですね。他に、運営してみて変わったことはありますか?

松栄: また、採用文化が変わってきたのも大きな成果だと思っています。転職ドラフトを使った企業さんが他社サービスを使うときも、同じ文面で大量一括送信していたことを反省し、ちゃんと個別に見て個別のメッセージを送るようになってきました。私たちは世界を変えたい、と思ってやってきているので、この変化はとても嬉しいです。

マコト: 採用企業各社、自分のチームの人間を自分たちで選ぶ文化も出来てきましたね。以前は、採用活動が上の人や人事任せになっており、現場から「入ってきた人が欲しかった人と何か違う」というような意見が出てしまう、というような悲しい事象もありました。でも転職ドラフトでは詳しくスキルや考え方を見るので、現場の人間も巻き込まないと指名ができません。これにより、現場の人間が自分のチームにほしい人について考え、明確化するようになりました。悲しい事象が起きなくなってきているんです。これは本当に素晴らしいことだと思います。

松栄: 転職ドラフトでは金額を付けて指名する、各社の提示年収が見える、という仕組みゆえに、企業側の評価制度が見直された例もあります。「自社の年収帯が低すぎることに気がついた」「自社の採用がうまくいかないのは人事の能力の問題ではなく、年収が低すぎるからだと経営層にやっとわかってもらえた」なんて声もあり、いい変化が生まれてきていると感じています。

ー転職する側、受け入れる側、ともに幸せが生まれる仕組みですね。

マコト: 僕たちは、WEB EXPERT DRAFTでITエンジニア、デザイナー以外の職種にも同様の変化を起こしたいんです。実力で正当に評価を受けられ、自己成長へのヒントが得られる場所を作りたい。自社の社員の役割や求める人物像をちゃんとすり合わせられ、評価制度も適切に改善されていく流れを作りたい。

松栄: ただもちろん、ITエンジニア版と全く同じことをしていればWEB EXPERT DRAFTでも成功する、とは思っていません。対象にする人たちが抱える問題が違いますから。でも、自信を持って、「これまでの転職サービスと全く違うユーザー体験ができる」と言えるので、ぜひみなさんに一度参加してみていただきたいです。

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