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会場からランダムに選ばれた12名が内側を向いてサークルをつくり、そのサークル内にあるフラフープをメンバーそれぞれが人差し指の上に乗せる。フラフープから指を離さずに足元まで下ろし、フラフープを地面に置けたらゴールという、一見簡単そうなワークショップで始まった本講演。

「すぐにできるんじゃないの?」と思いきや、15分経ってもなかなかクリアできず。初対面同士の方々が互いに探り探り声を掛け合いながら、なんとかフラフープを地面に置くことに成功しました。

さて、このワークショップにはどんな意味があったのでしょう?講師の楽天大学学長・仲山進也氏が語るには、グループをチームに進化させ、ジャイアントキリング(=大番狂わせ)を起こす秘訣がそこにはあるとのこと。ワークショップ後に行われた講演の模様から、その「秘訣」を探っていきたいと思います。

仲山考材株式会社 代表取締役
楽天株式会社 楽天大学学長
仲山 進也
登壇者の詳しいプロフィールはこちら

チームづくりでジャイアントキリングを起こす

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ワークショップに参加いただいたみなさん、お疲れ様でした。

ところでみなさん、「グループ」「チーム」がつく言葉にはどんなものがあるでしょうか。例えばサッカーで言うと、日本代表チームとは言いますが、日本代表グループとは言いません。チームワークがいいとは言いますが、グループワークがいいとは言いませんね。

ほかに思いついたら教えてもらってよいですか?(プロジェクトチーム、仲良しグループ、グループ会社、チームビルディングなどが出てくる。)

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どうでしょう、こう見るとグループとチームという言葉を何となく使い分けているのがわかると思います。ぼくはグループが成長してチームになると考えています。そして、その成果としてジャイアントキリング、つまり格下のチームが格上のチームに勝つという大番狂わせが起こると考えています。

ちなみに『ジャイアントキリング』というサッカーの監督を主人公に据えた漫画があって、ぼくはその漫画を「自由に使っていいですよ」という許可をいただいてチームづくりの本を書いています。

では、チームづくりでどうやったらジャイアントキリングが起こるのかを考えていきましょう。まずチームづくりについては、ジグソーパズルをイメージするとわかりやすいと思っています。

ジグソーパズルをするときは、まず裏返ったピースを表にして、次に四辺のどこかに真っ直ぐなところがあるピースをより分けたり、色や柄の似ているピースをグルーピングしていくつかの島に分け、そこから「さて始めますか」と凸と凹を組み合わせて完成させるというプロセスですよね。

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それを人の組織に当てはめてみるとどうなるか。

「営業職募集」「プロダクトマネージャー職募集」のような採用をかけて、そこでマッチしたら「ぜひその力を我が社で発揮してください」といって部署に配属され、数字を与えられて「あとはよろしく」と言われ、達成に向けて仕事がスタートするというのがよくあるかたちです。

それをジグソーパズルで言い換えると、似たような色や柄・形のピースを仮置きした状態のままで、凸と凹をがちゃがちゃする作業もなく、それぞれ個別に頑張っている状態ですね。

この状態って、パフォーマンスとしてはもったいないというか、パズルの醍醐味を味わえていないんだろうなと、そんなイメージがあるわけです。

グループがチームになる法則

グループがチームに成長するときの法則として、ひとつ考えていることがあります。
それが、「70点のグループ」が「赤点」を経て、「120点以上のチーム」に変身することがあるということ。赤点を経てというところがポイントです。

「70点のグループ」とは

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70点のグループというのはこんな感じのイメージです。

・メンバーはみんな、がんばってくれてはいる。ただ、自分の仕事の範囲を超えてまで積極的にやろうとする姿勢が見えない(言われたことしかやろうとしない)ことに物足りなさを感じる。
・メンバー同士が積極的に議論するような社風にしたいが、みんなおとなしく、ミーティングでも発言が少ない。
・リーダーである自分が現場で奮闘しなければ、チームの目標が未達になってしまうことがある。
・役割分担を明確にし、合理的な目標を与えているのに、思ったようにはパフォーマンスが上がらない。
・仕事を楽しめる会社にしたいのに、みんな淡々と働いている雰囲気がある。

こういったことがあるグループのことで、ひとことで言うと「悪くはないけど良くもない」状態ですね。それが70点のイメージです。

「赤点」とは

さっきのジグソーパズルで例えると、ピースを仮置きして凸と凹をがちゃがちゃやりはじめたときって、テーブルの上が元よりも散乱した状態になりやすいと思うんです。

「さっきの方がきれいに並んでいたんじゃないか?」って思うような、ぐちゃぐちゃな感じになっているのが赤点のイメージです。

フラフープで言うなら、下がらないままの状態。いろんな人が「こうしたほうがいいんじゃないか」ってMTGみたいなものが始まる時間帯がありましたけど、その状態って仕事が進んでいないですよね。

その「パフォーマンスの上がっていない時間帯」が赤点のイメージです。

「120点以上のチーム」とは

最後に120点のチームについて。

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ぼくはチームビルディングのプログラムを、楽天出店者さん向けに開催しています。10〜20人くらいの違う会社の人同士が集まって、3ヶ月間一緒にチームビルディングを学ぶプログラムです。

このプログラムに参加した人に、終わってしばらく経ってから会ったときにもらったコメントをここに並べてみました。これが120点以上のチームのイメージです。

「2年で売上が2倍になった」「利益が数倍になった」「自分が日常業務をやらなくても会社が回るようになった」など、いろいろあります。「夫婦喧嘩が減りました」っていうコメントもあります(笑)。では、なんでこんなことが起こるんでしょうか。

イモムシ⇒さなぎ⇒蝶

この話を絵に書くとこんな感じかな思います。

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下に「イモムシ」「さなぎ」「蝶」と書いてありますね。

イモムシは歩くことができます。でもさなぎになると動けなくなってパフォーマンスが下がったように見えますが、いざ蝶になるとより早く動けるようになるし、そもそも飛べるようになっているので、イモムシのときよりも高いパフォーマンスを発揮できるようになります。

このパフォーマンスが底を打つまでがバラバラなグループっぽい状態で、そこからちょっとずつ噛み合いはじめてグループがチームになっていく、みたいな見方になります。

ジャイアントキリングは、格下チームが蝶になれている状態で、かつ格上のチームが諸事情あってイモムシ状態だったときに起こるものと考えています。逆に言えば、イモムシ同士の状態で闘うと大きいやつには勝てないわけです。

イモムシ状態で仕事をしていても誰も困らないのであればそのままやっていただければいいんですが、現在より生産性を上げたい場合、「それぞれがもっと頑張る」以外の選択肢はないものかと探しているなら、図のように赤点の谷を越えて右側に進むという道がありますよ、というのが今日のお話です。

チームの成長ステージ

お話しした「イモムシ・さなぎ・蝶」のプロセスを、ここからはフォーミング(形成期)、ストーミング(混乱期)、ノーミング(規範期)、トランスフォーミング(変態期)という4つのステージで見ていきます。

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フォーミング期

フラフープで集まっていただいた12名が典型ですが、お互い知らない人同士ですよね。これから何をするのかもわからないし、どんな人なのかもわからない。そういったときに人はどう反応するかというと、基本は不安を抱いたり緊張したりします。

いきなり「これは何のためにやるんですか」と思ったことを言っちゃうと何かヤバいやつがいるって思われそうだし、とりあえずは遠慮して黙っておこうとしてしまいがちです。空気を読んで、前で喋っている人や役職の高い人の話をとりあえず聞いておこうってなりやすい。これがフォーミングです。

役職の上下が決まっていない場合は、就職活動のグループ面接みたいなイメージですかね。よく喋ってまとめようとする人や声の大きい人が影響力を持ちます。

ジグソーパズルで言うと、凸も凹もよくわからないし、色や柄もお互いよくわからない状態です。いろいろ喋ったりしていく内にお互いの人となりがわかりはじめて、「ここまで言ってもよさそうだ」っていうラインが見えてくると、それが次のステージに進むきっかけになります。

ストーミング期

「ここまで言っても大丈夫」という心理的安全性ができあがると、ストーミングが始まります。フラフープのアクティビティでいうと、「3人で寄ってひとつになった方がいいんじゃない?」「いや、バラバラになった方がいいと思う」みたいにアイデアが出ていましたけど、あのように意見がバッティングし合うシーンも出てくるのがストーミングです。

対立・衝突しはじめて、混乱してきたり仕事が進みにくくなっている状態ですね。その内に、とりあえずで進めていたことが成功し始め、小さな成功体験が生まれてきて、だんだん「自分たちのルール」が決まってきます。そうやって次のステージに進みます。

ノーミング期

ノーミングのノーム(norm)とは「規範」「ルール」という意味。これは「自分たちルール」が定まっていくステージです。自分たちのやり方が暗黙の内にだんだんかたちになっていき、それを言語化すると形式知化されたルールや規範になります。

そうやってルールができ始めたり、自然と各メンバーの強みやキャラを活かした役割分担が決まっていくのがノーミングの状態。みんなが何をしようとしているのかも理解できるようになってきて、自分が何をしたらいいのかわかるようになり、共通言語もでき始めます。

パフォーマンスが上がるこの段階からが「チーム」です。サッカーの代表戦が終わったあとのインタビューなどで「今日は日本らしいサッカーができました」と表現されることがあると思いますが、もし選手へ個別に「日本らしいサッカーってどんなサッカー?」と質問したときに、チームがノーミングだったら、全員が同じことを答えます。

人によって「いや組織が大事なんで」「やっぱり個の力が足りない」などバラバラなことを答えているようであれば、そのチームはまだフォーミング状態に留まっているという認識です。

トランスフォーミング期

「フラフープ下げ選手権全国大会」があったとします(笑)。標準記録として、5秒で下げなければならないとか条件があったら、もっと練習しないといけないですよね。「毎週、平日の夜に集まって練習しましょう」「それはちょっと……」という意見が出たりして、「そこまでやるか?」の壁を越えた結果、12人がひとつの生き物のように、阿吽の呼吸で誰も声を発しなくてもスッとフラフープが下がる。そのレベルにまで至るのがトランスフォーミングのイメージです。

漫画の『スラムダンク』が好きな人は、最後の試合が無音で進む“あの感じ”です。

フラフープ・アクティビティに関する3つの問い

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ここでさっきのフラフープに関する問いを3つほど並べてみました。

フラフープはなぜ上がった?

下げないといけないフラフープがなぜか上がるシーンがありましたね。もし指が離れてもOKというルールだったら、たぶん上がらないと思います。

下げようとしているのに上がってしまう現象というのは、「フォーミングの状態で、みんなが自分だけはミスしないようにがんばると、反対方向に進んでしまう」ということが起こったととらえることができます。怖いですね(笑)。こういうことって仕事の現場でも起こっているんじゃないでしょうか。

指が離れたのに気づいたのに、なぜ言わなかった?

次に指が離れていることに気づいたのに、なぜ言わなかったか。これもフォーミングだったからということですね。昨今、企業のコンプライアンス違反の事件が取り沙汰されることが多いですが、背景として「フォーミング体質」がひとつの原因になっているのではないかと考えています。

ちなみに、こんな変なアクティビティをやっていただいた理由は、フォーミングの状態からぷちストーミングを経てぷちノーミングを体験できるからでした。なんとなくでも、小さなサイズで「チームの成長法則」を感じられたのではないかと思います。

大きいサイズで見るなら、例えばサッカー日本代表チームだと、4年後のワールドカップにピークを持っていくために、4年かけてこの成長ステージを進むわけです。このように、いろんなサイズで使うことができるフレームワークです。フラフープのアクティビティをやってみて、指が離れたことが言えない体験して、「フォーミング状態に甘んじてはいけない」と体感することで、チームづくりのスイッチが入りやすくなると思っています。

参加者の方が振り返りで「自己紹介から始めればよかった」とおっしゃってましたが、あれはとても重要な気付きだと思っています。もっと時間の尺があるときはみんなで名前を覚え合ってから始めるようにするんですが、そうするともうちょっと違った雰囲気になっていきます。

人数が少ないとカンタンにできる?

あとこのフラフープ、活発な方はすぐに買ってやってみようと思っている人もいるかと思いますが、もしやるときはポイントがありまして。難易度は重さによって変わり、軽ければ軽いほど難しくなるんですよ。手触り感・手応えがないほど難しくなります。3人だとカンタンですよ、やってみてください。

※先ほどの参加者の内、3人で挑戦したところ、数秒で下ろせた。

会場:(歓声)

なんら困ることなく、カンタンにできてしまいましたね。

これって、会社が大きくなってきたときと状況が似ているなって僕は思っています。ベンチャー立ち上げ当初、3人でやってるときは手応えがばっちりあって、「オレ仕事してるわ」みたいな感じなんですけど、だんだん人数が多くなってくると「オレいま触れてんのかどうかわかんねー!」みたいになる。すると、うまくいきにくくなってくるんですね。

ちなみに、自分のいまやってるプロジェクトが今どのステージなのかを考えるときのヒントというかガイドラインとして、こちらを試してみてください。

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自分のチームに当てはまる部分がいくつかるか考えてみてほしいんですけど、もし一個でも当てはまるものがあれば、そのチームはフォーミングです。しっかりチームになれているのにこの項目が出てくることはあんまりない。

このフラフープ、全員でやらざるを得ないというのがポイントで、ひとりひとり個別に役割分担をして「はい、どうぞ」ってできないじゃないですか。そうするとストーミングに移っていきやすくなります。最初から個別に役割分担を決めて各自でやれるアクティビティだと、ストーミングにはなりにくくなります。仕事も同じです。

うまくいくチームの共通点は、心理的安全性が確保されていること

フォーミングのところで「心理的安全性」という言葉が出てきました。これはGoogleが、社内でうまくいっているチームの“うまくいっている要因”を分析する「プロジェクト・アリストテレス」の成果として知られるようになった言葉です。

当初Googleは「引っ張っていくリーダーがいる」とか「メンバーみんな仲がいい」とか、うまくいくチームに共通しそうな要因の仮説を立ててみたものの、全然見つからなかった。引っ張っていくリーダーがいなくてうまくいっていることもあれば、みんな仲が悪いのにうまくいっているところもあったんですね。

それで、唯一出てきた共通点が「心理的安全性」でした。

みんなが安心して自分の意見を出せる関係性がある、ってことだけが共通していましたという話です。つまりは、フォーミングがちゃんと進んでいてストーミングが起きやすい状態になっていたんだとぼくは見ています。

陥りがちな “マネージャーご乱心” に注意

こうやってストーミングを超えてチームになろうという話をすると、人によっては「ウチのチームはまだフォーミングだから、ストーミングを起こさなければ!」と思い立ち、会社に帰ってすぐ「メンバー全員で意見を言うんだ! ほら、言ってみろ」みたいなことをやる人がいがちです。

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心理的安全性が全然がつくられないままに意見を言わされるというのは、ただのフォーミング状態で発言を強制されているだけです。これをぼくは “マネージャーご乱心” って呼んでいます(笑)

会場:(笑)

だいたいほとんどの人がフォーミングな状態で仕事をしていることが多いので、まずやることは、フォーミングを進めるために心理的安全性を確保すること。そんな状況をつくっていくためにはどうすればいいのかを考えてやっていけば、そんなにハズレはないのかなと思っています。

フォーミングを進めるにはコミュニケーションの「量」が必要です。

パズルのピースの凸凹や色柄にあたる個人の強みや価値観などをお互いに共有できることが大事なので、いろんなことをしゃべるというのが大切。いきなり仕事の話になると、それぞれ「オレはこうすべき」だとかそれぞれのポジションによる意見があったりして、コミュニケーションの量が増えにくかったりするんです。

だから最初は自己紹介がいいですね。ぼくが勧めているのは、自己紹介を模造紙に書いて見せ合うこと。それで自分の好きなこと・嫌いなことを共有すると、「職場で20年一緒に働いていた人の自己紹介を聞いたら、知らないことがいっぱいあってすごい盛り上がった」みたいな話もよく出てきます。

役割を決めてはいけない

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プロダクトマネージャーがチームをどうやってつくっていこうかってところで、「必ず失敗できる秘訣」があります。それぞれの役割を決めてしまってからやると、アイデアを出し合っても、「ウチは忙しくてもうリソースは割けない」など、ポジショントークが出てきてしまいます。

フラフープが最終的にうまくいったのも、最初から役割が決まっていなくて、みんなで「どうするどうする」って言いながらやってる内に誰かが言ったアイデアがうまくいったところがあると思うんですね。「せーの」と声かけをする役割の人も、自然に決まっていってました。

なので、いったん役割をヨコに置いておいた状態ではじめるのが吉です。

かつストーミングが起きやすい目標とはどんなものかというと、「誰もやったことないことをする」です。

フラフープで誰かが「コレやったことある!こうやってやればいいんだよ」と言っていたら、多分それ以外の人はもう自分では何も考えず、その人の言うとおりにやっていたと思うんですよね。

誰もやったことがなくて、やり方がわからないし、そもそもできるかどうかもわからないくらいの難易度のお題に、みんな役割が決まっていない状態ではじめる。それが、ストーミングを超えてノーミングなチームになりやすい進め方になるのかなと考えています。

フィジカル+遊びのようなアクティビティから始める

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体を動かすアクティビティをやりながらチームづくりを学習するのはなぜか。僕らの仕事って、パソコンに向かってそれぞれが頑張って働いている感じですよね。それって、フラフープで「あ、あの人、ちょっと指離れてんな」みたいなことに気づきにくい状態だと思うんです。

こういうフィジカルな、見えるかたちでみんなでやってみると、ここではサポートが必要だとか「大丈夫?」と声をかけてみることが大事だってことに気づきやすくなります。あえてこういったフィジカルなことをやる意味合いは、そこにあるのかなと思います。

それにいきなり仕事でやろうとすると「失敗したくない!」という思いが先立つので、「こんなことにチャレンジしてみよう」というアクションが起こりにくくなると思っています。

こういったまったく仕事と関係ない「遊び」みたいなことから、みんなでワイワイやりながらアイデアを出してうまくいった成功体験があると、「あのフラフープのときみたいな感じで仕事をやってみますか」となる。こういったことがみんなで共有できると、ストーミングが怖くなくなっていきます。

仕事もフラフープも、同じアクティビティと考えよう

ストーミングの本質は何も胸ぐら掴んで喧嘩することではなく、みんなが自分の意見を場に出して「ココとココがバッティングしてますけど、どうしましょう?」と折り合いを付けていくことなので、別に怖いものではありません。

いかに平和的にストーミングを進められるかの作法として、別に感情的になる必要はないんだなっていうことが共有できると、仕事が楽しく進められると思います。

なので、「仕事もアクティビティですよね」「フラフープと一緒ですよね」みたいな共通言語を持つ人を、社内にどれだけ増やせるかで会社の状況が変わってきます。

仕事がそういうチームビルディングアクティビティと同じものだと思えるようになると、例えば目標に対して「その目標だとそれぞれが2割増しで頑張ったらできちゃいそうだから、ストーミングが起こらなそうですよね。もっと目標高い方がよくないですか?」といった話題が出てくる可能性すらあるわけです。

無茶ぶりされてそれをやりきった経験がある人は、「うん、確かにストーミング超えたわ」っていう体験をされている方が多いと思います。クレームで出会ったお客さんが今一番いいお客さんになってくれているみたいなことってあったりすると思うんですけど、それも結局はストーミングを超えた関係性になっているからってことが大きいと思いますし、こんな視点を持ちながらチームをつくっていっていけるといいんじゃないかなと思っています。

ご清聴、ありがとうございました!

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